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【2019-20チームレビュー】ブルックリン・ネッツ

2018-19シーズン成績 :42勝40敗(イースタン6位/攻撃:15位 守備:18位/得失点差:-0.1)
2018-19プレーオフ成績:1回戦敗退

加入

カイリー・アービング(セルティクス)
ケビン・デュラント(ウォリアーズ)
ディアンドレ・ジョーダン(ニックス)
ヘンリー・エレンソン(ニックス)
トーリアン・プリンス(ホークス)
ウィルソン・チャンドラー(クリッパーズ)
ギャレット・テンプル(クリッパーズ)
デイビッド・ヌワバ(キャバリアーズ)
テン・アデル(キャバリアーズ)
ニコラス・クラスクトン(ドラフト31位)
ジェイレン・ハンズ(ドラフト56位)

退団

ディアンジェロ・ラッセル
ジャレッド・ダドリー
シャバス・ネイピアー
トレイビオン・グラハム
アレン・クラブ
ロンデイ・ホリス・ジェファーソン
デマーレイ・キャロル
エド・デイビス
アラン・ウィリアムズ

予想ロスター

 

PG

SG

SF

PF

C

1st(先発)

カイリー・
アービング

キャリス・
ルバート

ジョー・
ハリス

ウィルソン・
チャンドラー

ジャレット・
アレン

2nd

スペンサー・
ディンウィディ

ギャレット・
テンプル

トーリアン・
プリンス

ロディオンス・
クルークス

ディアンドレ・
ジョーダン

3rd

テオ・
ビンソン

デイビッド・
ヌワバ

デン・
アデル

ニコラス・
クラクストン

 

4th

 

 

ケビン・
デュラント*

 

 

HC

ケニー・アトキンソン(4年目)

2019-20シーズンの展望


Best of the Brooklyn Nets | 2018-19 NBA Season 

ブルックリン・ネッツは、2018-19シーズンのサプライズチームだ。
特に印象的だったのはチームの雰囲気だった。大学バスケを見ているようなチームケミストリーと熱気がチームに充満していた。

ビッグネームのいない若手チームの快進撃を支えたのはショーン・マークスGMとケニー・アトキンソンHCだ。2人が作り上げてきたチーム文化に能力のある若手たちがフィットした。その顕著な例が、ドラフト全体2位指名を受けたもののロサンゼルス・レイカーズで燻っていたディアンジェロ・ラッセルの覚醒だ。ラッセルは30.2分の出場で平均21.1点、3.9リバウンド、7.0アシストを記録し、オールスターにも選出された。プレー面/コート外の双方で未熟と言われたラッセルが、ブルックリンでここまで開花すると予想した人は少ないだろう。
脇を固めたのは2ndオプションとして成長したキャリス・ルバート、ゴール下の番人として数々のスター選手をブロックしたジャレット・アレン、リーグ首位の3P成功率を記録したジョー・ハリスと、それぞれの分野のスペシャリストが自分の役割を最大限にこなした。

 

チームは今オフに賭けに出た。
躍進の立役者でフランチャイズプレーヤーになる可能性のあったラッセルを放出した。代わりに獲得したのは、ケビン・デュラントとカイリー・アービングという現NBAでもっとも支配力があるといわれる2人の選手だ。今オフの目玉FAだった2人を獲得したことで、ネッツは今オフの勝ち組チームとなった(ただし、デュラントは2019−20シーズンは全休の見込みだ)。
さらに、リバウンドとブロックで高い能力を持つディアンドレ・ジョーダンを獲得し、ウイングにはウィルソン・チャンドラー、トーリアン・プリンス、ギャレット・テンプルといった安定感のあるベテランを加えた。

全盛期を迎えているカイリーはラッセルと似たタイプであるため、基本的なチーム戦術は昨年を踏襲することになると思われる。
オフに契約延長したキャリス・ルバートがSG、3P成功率47.4%という驚異的な数字を残したジョー・ハリスがSFの先発として起用されるだろうが、控えで3&Dのプリンス、攻守で堅実な働きをするチャンドラーを加えたことで、バックコートはグレードアップされたと見てよいだろう。また、テンプルの獲得によって昨年18位に終わった守備面の向上が見込まれる。
デュラントが全休見込みな2019-20シーズンについては、カイリーがエースとしてプレーするだろう。カイリーはボールを長時間保持し、ドライブからプレーメイクするスタイルを得意とする。そのためペイントエリアのスペーシングが重要となるが、ハリス、チャンドラー、プリンスは、カイリーのプレースタイルとマッチするだろう。

インサイドには元オールスター選手で、2度のリバウンド王にも輝いているディアンドレ・ジョーダンを加えたが、31歳とディフェンス面で若干の衰えが見られており、21歳にしてディフェンス面で才能を開花させたアレンがCの先発似なると思われる。全盛期の力はないとはいえ、ジョーダンが控えに座ることで、ゴール下の守備はより磐石になった。昨年何度もハイライトリール(TVで繰り返し放送されるプレー)になるブロックショットを決めたアレンと、ジョーダンのコンビは強烈だ。

一転してPFは弱点だ。
PFをナチュラルポジションとする選手がルーキーのニコラス・クラクストンしかおらず、フィジカル面でもNBAに適応するには時間を要するを見られている。PFにはチャンドラーとプリンスを起用する時間が増えると思われるが彼らは本来はSFであり、ミスマッチになりやすいポジションだろう(デュラントも本来はSF)。
特にイースタン制覇を考えた場合には、昨年シーズンMVPを獲得したミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボ、トロント・ラプターズでMIPを獲得し今季はエース級の活躍を期待されるパスカル・シアカム、攻守で老獪なプレーを安定的に披露するフィラデルフィア・セブンティシクサーズのアル・ホーフォードと強者揃いだ。彼らとマッチアップするにはかなり厳しい状況になるだろう。

ネッツは2人の大物FA(カイリー・アービングとケビン・デュラント)を獲得し、彼らと相性の良いサポート要員も順調に獲得したことから今オフの勝ち組であることは間違いない。
しかし、デュラントは2019-20シーズンは全休の見込みであり、怪我の状況によっては全快できない可能性も少なくない(デュラントの怪我は、何人ものスター選手のプレーを悪い意味で変貌させている)。
また、カイリーは昨年セルティクスに所属していたが、カイリーやゴードン・ヘイワードがが欠場した一昨年にチームを支えたジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウンと公私で相性が悪かった点には一抹の不安が残る。公然と若手を批判し、若手とのチームケミストリーは崩壊していたと言っても過言ではなかった。こういったこともあり、カイリのリーダーシップには疑問が持たれている。

本格的に優勝を目指すのはデュラントが復帰する2020-21シーズンになるだろう。今季はそのための基盤を作っておきたいところだ。昨年成功したチームを部分分解した形で、個人面ではグレードアップした。ベテランを多く加えたことも安定性を加えることにも成功した。
しかし、昨年の成功要因だった若手主体のチームケミストリーはなくなるとともに、セルティクスで若手とケミストリーを構築できなかったカイリーの加入は諸刃の剣になる可能性もある。デュラントも、どちらかというと不平が多い部類の選手だ。
プレーオフ進出は堅いと思われるが、チームが空中分解しても不思議ではない。