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【2019-20チームレビュー】シカゴ・ブルズ

2018-19シーズン成績 :22勝60敗(イースタン13位/攻撃:27位 守備:20位/得失点差:-8.5)

2018-19プレーオフ成績:-

加入

サディアス・ヤング(ペイサーズ)
ルーク・コーネット(ニックス)
トーマス・サトランスキー(ウィザーズ)
コビー・ホワイト(ドラフト7位)
ダニエル・ガーフォード(ドラフト38位)
アダム・モコカ(ドラフト外、2way)

退団

ロビン・ロペス
ウォルター・レモンJr.

予想ロスター

  PG SG SF PF C
1st(先発) コビー・
ホワイト
ザック・
ラビーン
オットー・
ポーターJr.
ラウリー・
マルッカネン
ウェンデル・
カーターJr.
2nd クリス・
ダン
トーマス・
サトランスキー
デンゼル・
バレンタイン
サディアス・
ヤング
ルーク・
コーネット
3rd ライアン・
アーチディアコノ
アントニオ・
ブレイクニー
チャンドラー・
ハッチソン
ダニエル・
ガーフォード
クリスティアーノ・
フェリシオ
4th          
HC ジム・ボイラン(2年目)

2019-20シーズンの展望


Best of the Chicago Bulls | 2018-19 NBA Season

2018−19シーズンのシカゴ・ブルズは22勝60敗とリーグ下位の成績で、この成績はチーム史上5番目に悪い成績だ。チームは絶賛再建中であり、オフェンスはリーグ27位と最低レベルで、ディフェンスも20位と攻守両面に課題しか抱えていない状態だ。ジム・ボイランHCの戦術には疑問符がつく場面も少なくなく、昨シーズン序盤には選手から反発も起きた。就任1年目とはいえ、チーム向上の兆しを見せることができなかったボイランHCと今オフに3年の契約延長をし、近年悪評の多いフロント陣は再びファンの信頼を失った。

このような先の見えないシーズンを送ったブルズだが、良かった点はエースのザック・ラビーンが怪我の影響なくシーズンを通して活躍できたことだ。ラビーンは昨年63試合に出場し平均23.7点、4.7リバウンド、4.5アシストとオールスター級の成績を残している。ラビーンは、オールスターのダンクコンテストで優勝するほどのダンカーであるが、元々3Pも苦手という訳ではなく、インでもアウトでも安定的に得点できるプレーヤーに成長した。
さらに昨年ウィザーズから獲得したオットー・ポーターJrも3P成功率が40%を超えており、得意のディフェンス面でも存在感を発揮した。ラビーンとポーターの相性も良く、2人のワンツーパンチが厳しいチーム状況の中で唯一の光明だった。

そんな中、2019年ドラフト7位で指名したのはノースカロライナ大学でスコアリングPGとして活躍したコビー・ホワイトだった。
ホワイトはスピードとシュート力に秀でたスコアリングPGで、その得点力はNBAでも通用すると評されている。ただし、司令塔としてゲームメイク力とディフェンス面には疑問が持たれており、ホワイトをサポートする人材は不可欠だ。ホワイトの控えには2016年ドラフト5位のディフェンス力に優れたクリス・ダン、3Pシュートが得意なアーチディアコノを据える。ダンはルーキーイヤーから期待されているものの、期待されている結果は残せておらず、安定感という面では不安が残る。

SGには大怪我から復活し、安定した得点源となったラビーンと、ウィザーズから獲得したトーマス・サトランスキーが控えている。サトランスキーは3つのポジションをこなすことができ、得点力もあるコンボガードだ。基本に忠実なプレーで攻守で活躍することから、バックコートに安定感を持たせることができるだろう。場合によっては、ホワイトの控えとしてPGで起用される場面も増えるかもしれない。

SFには昨年ラビーンとワンツーパンチを形成したオットー・ポーターJrがスタメンになるだろうが、デンゼル・バレンタインとチャンドラー・ハッチソンの控えは些か不安だ。バレンタインはアンセルフィッシュなプレーが持ち味で、ボールを持ちたがる選手が多いバックコートとの相性は良い。またハッチソンは大学での攻守で安定感のあるプレーが期待されていたが、NBAではまだインパクトと残せていない。この2人は爆発力があるタイプではないが、チームに不可欠な堅実なロールプレーヤーに成長する可能性はある。この2人が昨年リーグ20位に終わったディフェンス面を向上させることができれば、ブルズは面白い存在になるだろう。
バレンタインはポイントフォワードになり得る視野の広さを持っている。場合によっては、ゲームメイクに不安が残るホワイトに変わってチームのゲームメイクをする可能性も捨てきれない。

フロントコートには、将来的なコアになると期待されるウェンデル・カーターJrと、得点力に秀でておりストレッチ4として活躍できるラウリー・マルッカネンが先発なると思われる。特に昨年1巡目7位でドラフト指名されたカーターはディフェンスに秀でており、チームの守護神としての活躍が期待される。ゴール下のフィニッシャーとしても開花しつつある期待の新星だ。
2017年のドラフト7位のマルッカネンはルーキーイヤーから安定した活躍をしており、史上最速で100本の3Pを決めた選手でもある。213cmとは思えない柔らかなシュートフォームと機動力を持ち、「ネクスト・ノビツキー」とも呼ばれる逸材だ。
懸念点は昨年カーターは44試合、マルッカネンは52試合にしか出場できていないことだ。特に213cmのマルッカネンの怪我はリスクが大きく、今後の成長に影を落としかねない。

この2人をバックアップする人材として、今オフに地味ながら数字に残らない仕事をきちっとこなすサディアス・ヤングをペイサーズから獲得した。ヤングは人格面でも評価されることが多く、若いチームをロッカールームでのまとめ役としても適任だ。

ブルズは不本意なシーズンに終わった2018-19シーズンからの復活を、若手に託したといった良いだろう。
ホワイト、ラビーン、ポーターのバックコート陣はアグレッシブであり、マルッカネンとカーターを据えるフロントコートも魅力的だ。上手くいけば数年前のトレイルブレイザーズのような躍進が見られるだろう。
サトランスキーとヤングの獲得も、目立たないが適材適所の良い補強と言える。

しかし、懸念事項も少なくない。
まず、ラビーン、サトランスキー、ポーターの3人をどのように使い分けるかという点だ。
3人のタイプは似ており、ホワイトとのプレーの相性も未知数だ。特にボールを持つタイプのラビーンとホワイトの相性は最悪の場合、空中分解しかねない。昨年チームを牽引できなかったボイランHCがチームのオプション順をしっかり設定する必要があるだろう。

次にエースのラビーンをはじめ、成長を期待されるカーター、マルッカネン、ダンといったチームのコア人材が怪我がちという点だ。能力は高くとも、怪我によってキャリアを狂わされた選手は過去にも多い。昨年リーグ27位と低迷したオフェンスの改善には健康維持が欠かせない。

リーグ20位に終わったディフェンス面でもヤングを獲得したものの、カーターとヤングだけでは大きな改善に繋がらないだろう。
伸び悩んでいるダンを筆頭にチーム全体でディフェンスの意識を持つ必要がある。ボイランHCはアシスタントコーチとしての経験は多いが、HCとしてチームディフェンスをどこまで改善できるかは腕の見せ所だ。

ラビーンの復活、カーター、マルッカネン、ホワイトと将来が楽しみな若手コアは楽しみな存在になるだろう。
しかし、現状のチームスタイルを考えると厳しいシーズンを迎えるのではないかと思われる。