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考察系NBAブログ

【2019-20チームレビュー】ダラス・マーベリックス

2018-19シーズン成績 :33勝49敗(ウエスタン12位/攻撃:21位 守備:15位/得失点差:-1.2)
2018-19プレーオフ成績:-

加入

セス・カリー(トレイルブレイザーズ)
デロン・ライト(グリズリーズ)
ボバン・マリヤノビッチ(シクサーズ)

退団

ダーク・ノビツキー
トレイ・バーク
デビン・ハリス
サラ・メジリ

予想ロスター

 

PG

SG

SF

PF

C

1st(先発)

ジャレン・
ブランソン

ティム・
ハーダウェイJr

ルカ・
ドンチッチ

クリスタプス・
ポルジンギス

ドワイト・
パウエル

2nd

デロン・
ライト

セス・
カリー

ドリアン・
フィニー・スミス

マキシ・
クリバー

ボバン・
マリヤノビッチ

3rd

JJ・
バレア

ダコタ・
マティアス

ジャスティン・
ジャクソン

アイザイア・
ロビー

 

4th

 

 

ライアン・
ブローコフ

 

 

HC

リック・カーライル(12年目)

2019-20シーズンの展望


Best of the Dallas Mavericks! | 2018-19 NBA Season

マーベリックスは昨年、大きな変革を迎えた。
長年チームを牽引し、2011年には球団初の優勝に導いたダーク・ノビツキーが引退したのだ。インサイドではステップを多用し、アウトサイドでは苦も無く3Pシュートを高確率で決めるスタイルは、現代のポジションレスバスケットの原型になったともいえる。特に7フッターの身長から繰り出されるフェイダウェイシュートを止めるのは不可能とまで言われた。晩年は怪我の影響もあり、活躍の場は限られていた。

ノビツキーの最終年にNBA入りを果たしたのは、ノビツキーと同じく欧州出身のルカ・ドンチッチだ。
ドンチッチは欧州でタイトルを総なめにした逸材で、NBAでも初年度から新人らしからぬ活躍で一気にチームのエースとなり、平均21.2点、7.8リバウンド、6.0アシストという好成績で新人王を獲得したのだ。ハンドリングとシュート力もさることながら、ドンチッチの最大の強みは物怖じしない精神力だろう。試合を決めるクラッチシュートを決めたことも1度や2度ではなく、201cmと大柄な体格とは思えない俊敏さも兼ね備えている。
ドンチッチ今後長く、マーベリックスのエースとしてチームを背負うことになるだろう。

ノビツキーの後継者という意味では、マーベリックスにはもう1人の欧州出身のスターがいる。昨年ニューヨーク・ニックスからトレードで獲得したクリスタプス・ポルジンギスだ。
ポルジンギスは前十字靱帯の負傷で欠場中ではあるが、221cmの高身長から繰り出されるシュートを止めることは難しく、3Pシュートも高確率で決めることができる。リバウンド面でも非凡な才能を発揮し、常にダブルダブルを狙うことができる逸材だ。加えてブロックショットの感度も高く、2016-17シーズンにはキャリアハイの7ブロックを記録している。ガード級の走力とシュート力を持つポルジンギスは、健康体であれば文字通りオールラウンダーとして期待できる。

大型選手の靭帯の怪我はキャリアを左右する可能性があるが、マーベリックスはポルジンギスの可能性に掛けて獲得した。
ポルジンギスの見返りとしてドラフト1巡目指名で潜在能力の高いデニス・スミスJrとドラフト指名権をニックスに差し出したが、ドンチッチと相性の悪かったスミスの放出は、ドンチッチを中心にチームを作るという意思表示と捉えれば理にかなっている選択だ。

今オフ、マーベリックスは大型FAの獲得には至らなかった。
ドンチッチとポルジンギスという魅力的な欧州デュオを中心に、チームを構築することになる。それを証明するように、オフに獲得した選手は昨年プレーオフでウォリアーズ戦で、兄であるステフィン・カリーと壮絶なシュート合戦を繰り広げたセス・カリーをブレイザーズから獲得した。
さらに、デロン・ライト、ボバン・マリヤノビッチをサポート要員として獲得している。

特にセスは、昨年にブレイザーズの第3の男としてブレイクの兆しを見せた。
リーグ最高峰のシューターである兄の影に隠れがちだが、キャリア通算でFG成功率46.7%、3P成功率43.9%という数字は特筆に値する。
安定的に活躍できるようになれば、ドンチッチ、ポルジンギスに次ぐXファクターになりえる存在だ。

本来SGのドンチッチだが、同ポジションにセスと爆発力のあるティム・ハーダウェイJrがいることから、起用についてはなかなかシビアになるだろう。
セスもハーダウェイも得点力があり、先発SGとして耐えうる選手だ。誰がSGの先発に座るかは難しいが、個人的にはサイズのあるドンチッチをSFで起用して、ハーダウェイをSGで起用するパターンはあり得ると考えている。セスとハーダウェイのどちらがスタメンになっても、6thマンとしてどちらかの選手が出てくるのはセカンドユニットのオフェンス力を向上させることができる。

PGについては、昨年オールスター後に平均14.5点、4.6アシストと大きく数字を伸ばしたジャレン・ジャクソンを据えると思われる。バックアップメンバーも、昨年トリプルダブルも記録したデロン・ライト、安定感のあるJJ・バレアと、スター性は少ないが総崩れはしないだろう。

SFに安定したディフェンス力が持ち味のドリアン・フィニー・スミスをドンチッチの控えとして使うことができれば、相手や状況に応じて柔軟なラインナップを組むことができるだろう。PFについてはポルジンギスの控えとしてストレッチ4としての資質のあるクレバーは悪くない配置だ。

また、Cについてはスピードのミスマッチにはなりやすいものの、新加入したボヤン・マリヤノビッチの221cm / 132kgの体格だけでも相手にプレッシャーと与えることができる。先発Cになるであろうドワイト・パウエルはシュートレンジが広く、昨年も77試合に出場し平均10.6点、5.3リバウンドを記録おり安定した活躍が見込めるだろう。

マーベリックスは今オフに大物FAの獲得に失敗したが、ドンチッチとポルジンギスを中心としたチーム作りにマッチしそうな人員を的確に補強できた。

ただ、ポルジンギスと結んだと5年1億5,800万ドルの超大型契約は、天国にも地獄にもなり得る賭けだ。
ポルジンギスが健康体で戻ってきた場合は、そのNBAの未来像とも言えるそのオールラウンダーぶりで、もう1人のエースであるドンチッチと共にマーベリックスを強豪に育てるだろうする可能性を秘めている。彼らはまだ20代前半であり、全盛期はまだ先だ。彼らが健在であれば、マーベリックスがリーグの強豪として連覇を成し遂げていても不思議ではない。
しかし、ポルジンギスが全快で戻ってこれなかった場合や大きな怪我を連発した場合は地獄だ。彼との大型契約は一気に不良債権化し、彼との契約はチームの財政を大きく圧迫する。その場合、リーグ有数のスター選手となったドンチッチが満足するような大型補強ができないばかりか、ドンチッチとの再契約すら危うくなる可能性すらあるだろう。

とはいえ、ポルジンギスとドンチッチという2人の欧州出身の若者にマーベリックスの未来は託された。
彼らをサポートするメンバーには地味ながら安定的に活躍できる選手を多く揃えている。リック・カーライルHCの手腕が浸透すれば、十分に台風の目となれる存在だ。しかし、彼らがリーグを脅かす強豪となるには、まだ幾度かのメンバーの入れ替えや経験が必要になるだろう。

その輝かしい未来の前提は、すべてポルジンギスとドンチッチが健康体でプレーできるということだ。