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【2019-20チームレビュー】デトロイト・ピストンズ

2018-19シーズン成績 :41勝41敗(イースタン8位/攻撃:25位 守備:7位/得失点差:-0.3)
2018-19プレーオフ成績:1回戦敗退

加入

デリック・ローズ(ウルブズ)
トニー・スネル(バックス)
ティム・フレイジャー(バックス)
マーキフ・モリス(サンダー)
クリスチャン・ウッド(ペリカンズ)
セコウ・ドゥンブヤ(ドラフト15位)
デイヴィダス・シルヴィディス(ドラフト37位)
ジョーダン・ボーン(ドラフト57位)
ジョー・ジョンソン(FA)

退団

イシュ・スミス
グレン・ロビンソン三世
ウェイン・スミス
ジョン・ルーアー

予想ロスター

 
PG
SG
SF
PF
C
1st
(先発)
レジー・
ジャクソン
ルーク・
ケナード
トニー・
スネル
ブレイク・
グリフィン
アンドレ・
ドラモンド
2nd
デリック・
ローズ
ラングストン・
ギャロウェイ
ジョー・
ジョンソン
マーキフ・
モリス
ソーン・
メイカー
3rd
ティム・
フレイジャー
ブルース・
ブラウンJr.
セコウ・
ドゥンブヤ
クリスチャン・
ウッド
 
4th
 
 
シヴィ・
マイルーク
 
 
HC
ドゥエイン・ケイシー(2年目)

2019-20シーズンの展望

昨年、初のNBAチャンピオンに輝いたトロント・ラプターズの基礎を築いたドゥエイン・ケーシーをHCに迎えて臨んだ2018-19シーズン。
オールスター選手のブレイク・グリフィン、チームの大黒柱であるアンドレ・ドラモンドとの強力インサイドに期待されたが、チームはイースタン8位でプレーオフに進出した。平均15.4点、2.6リバウンド、4.2アシストとチーム第3の男に成長したレジー・ジャクソンとの「BIG3」は不発に終わった。
チームのニュースとしては、かつてロサンゼルス・クリッパーズでパワプルなダンカーとして鳴らしたグリフィンが1シーズンで過去10年と同じ本数の3Pシュートを決めて周囲を驚かせた。さらには、50得点、14リバウンド、6アシストというキャリアハイの試合も行い、名実ともにチームのエースとして復活を遂げたシーズンとなった。

今オフ、ピストンズは堅実なベテラン選手を獲得し、グリフィンとドラモンを中心に試合を構築する路線を維持することに視点を置いた。
昨年ミネソタ・ティンバーウルブズで復活を遂げたリーグ最年少MVPのデリック・ローズ、3on3リーグ「BIG3」で圧倒的活躍でMVPを獲得したジョー・ジョンソンの、元オールスター選手を獲得した。
どちらも全盛期のキレはないが、昨年リーグ25位と低迷したオフェンスを強化するという面ではチームに貢献できる。特にローズは昨年、自己最多の50点試合を行うなど、怪我に泣かされ引退まで考えたとは思えないパフォーマンスを披露した。ローズはシーズンを通して平均18点、FG成功率48.2%と、普通の選手であればベストシーズンと言われても不思議ではないスタッツを残している。


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また、3&Dとしてディフェンス面でも期待できるトニー・スネル、3つのポジションをこなせ攻守で縁の下の力持ちになれるマーキーフ・モリスを獲得した。経験豊富で計算できるベテランを加えたことで、プレーオフを見据えて堅実なローテーションを組むだろう。

現時点で、オフェンス面で中心となるのはグリフィンとジャクソンだ。
グリフィンは健康体であれば昨年見せたストレッチ4としての活躍が見込める。昨年は、ポイントPFとして司令塔の役割を任される場面も少なくなかったが、堅実なプレーヤーとして帰ってきたローズを獲得したことで、彼の負担は減るだろう。アウトサイドを身につけたグリフィンを止めるのは簡単なことではない。

ジャクソンは得点力は高いがボールを独占することも多く、結果としてグリフィンやドラモンドとの相性は悪かった。シーズン当初はジャクソンが先発PGを務めると思われるが、ローズの仕上がり次第ではローズが先発として起用される可能性は低くないだろう。全盛期の爆発力はないが、ローズは相手チームとしてもマークを外すことはできない選手だ。彼がバックコートにいることで、グリフィンやドラモンドのためにスペースを作ることもできるし、ディフェンスの動き方によっては自分で得点まで持っていくこともできる。
ケーシーHCは着々と自分のチームに合う手堅い選手を獲得している。
ジャクソンは契約最終年ということもあり、グリフィンやドラモンドとの噛み合いが今年も悪ければシーズン中のトレードもあり得る。

PFはグリフィンとモリスの2人でも充実している上、ニューオリンズ・ペリカンズからクリスチャン・ウッドを獲得して盤石だ。
また、Cも過去4年で3度リバウンド王を獲得している現代最高のリバウンドマシーンであるドラモンドがチームを支えるだろう。ドラモンドはオフェンスとディフェンス双方のリバウンドに高い能力を発揮し、平均ダブル・ダブルは計算できる。これは昨年の平均17.3点、15.6リバウンドというシーズン成績で証明済みだろう。まだ26歳と若く、あと数年は全盛期を維持できる算段だ。また、控えのソーン・メイカーは線が細いながらもリバウンドとブロックで期待できる。アウトサイドからのシュートも上手い。
インサイドについては怪我がなければ、盤石だろう。

バックコートは先述のジャクソンとローズがPGを務める。
ジャクソンは球離れが課題であり、本来のゲームメイクは任せられない。そればかりか、グリフィンやドラモンドもプレーを阻害する可能性も少なくないため、オフに獲得したローズに任される時間も増えると予想する。

SGにはキャリア通算40.3%の3P成功率を誇るルーク・ケナードが先発を務めるだろうが、控えのラングストン・ギャロウェイも3Pシュートが上手く、場合によってはジャクソンやローズをSGで起用することもできるので、全体的な層は厚いといえる。ブルース・ブラウンJr以外は3Pシュートが問題なく打てる選手が揃っているので、おそらくドラモンドやグリフィンがインサイドを作っている間に、フォーメーションからのキャッチ&シュートというプレーが想定される。

SFはピストンズ最大の弱点だ。
スネルは3&Dで起用できる控えとしては重要だが、先発級の活躍は証明できていない。
控えにはドラフト15位指名のセコウ・ドゥンブヤと、大ベテランのジョー・ジョンソンを据える。ドゥンブヤはヨーロッパでの経験があり、主にディフェンス面で即戦力として期待されている彼の出来はチームの方針を大きく左右させる可能性は十分ある。ジョンソンは3Pで貢献できるため、控えとしてはドゥンブヤとジョンソンを場面に応じて起用する形になるだろう。

昨年は躍進とはいえないシーズンではあったが、グリフィンの復活という明るいニュースがあった。また、8年に渡ってチームを支え続けているドラモンドも健在だ。この2人を中心に据えるチーム方針を堅持することを示した今オフの補強は、ケーシーHCの考えるシステムに合致していると思われる。

懸念点は少なくない。
ケナード、ギャロウェイ、ドゥンブヤといった若手は活躍にムラがあり、チームにとってクリティカルな選手にはなれていない。また、チームの3rdオプションに成長したジャクソンは、自分勝手なプレーでグリフィン、ドラモンドとの相性が良いとはいえない。プレーオフを勝ち抜くためには彼らの成長が不可欠だ。

また、グリフィン、ジャクソン、ローズといった主力選手は怪我の影響が気にかかる。
グリフィンとローズは過去に大怪我を何度も行っており、2人ともNBAのスター選手になった後にプレースタイルを変えている。2人とも昨年は健康体で全盛期を上回るスタッツを残したが、今季も健康体で過ごせる保証はない。
逆に言えば、彼らは自身の怪我を長い時間かけて克服した経験を持つ。その経験は、シーズンを通して健康体でプレーする上で役立つかもしれない(例えば、ローズは全盛期よりも2テンポ落としたプレーをしている)。

今年もプレーオフ進出をかけて当落線上のチームと火花を散らすとだろう。
ケーシーHC3年目となる2020-21シーズンに向けて、現在のチーム路線に手応えを得るシーズンにしたいところだ。