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【2019-20チームレビュー】ヒューストン・ロケッツ

2018-19シーズン成績 :53勝29敗(ウエスタン3位/攻撃:10位 守備:10位/得失点差:+4.8)
2018-19プレーオフ成績:カンファレンス・セミファイナル敗退

加入

ラッセル・ウエストブルック(サンダー)
タイソン・チャンドラー(レイカーズ)
ベン・マクレモア(キングス)
タボ・セフォローシャ(ジャズ)
ライアン・アンダーソン(ヒート)
ディオンティ・デイビス(ホークス)
クリス・クレモンズ(ドラフト外)
シャモリー・ポンズ(ドラフト外、2way)
ウィリアム・マクドウェル・ホワイト(FA、2way)
アンソニー・ベネット(FA)

退団

クリス・ポール

予想ロスター

  PG SG SF PF C
1st(先発) ラッセル・
ウエストブルック
ジェームズ・
ハーデン
エリック・
ゴードン
PJ・
タッカー
クリント・
カペラ
2nd クリス・
チオッザ
オースティン・
リバース
ジェラルド・
グリーン
ゲイリー・
クラーク
タイソン・
チャンドラー
3rd   ダヌエル・
ハウス
タボ・
セフォローシャ
ライアン・
アンダーソン
ネネ
4th   ベン・
マクレモア
  アンソニー・
ベネット
 
HC マイク・ダントー二(3年目)

 

2019-20シーズンの展望

カーメロ・アンソニーを獲得して超攻撃型オフェンスと言われた昨シーズンのヒューストン・ロケッツだったが、チームのエースであるジェームズ・ハーデン、現役No.1ポイントガードの評価もあるクリス・ポールとのBIG3は機能しなかった。結果としてシーズン早々にカーメロを放出し、今オフにはハーデンと対立を深めていたポールの放出を行った。

ポールの代わりに獲得したのは、ラッセル・ウエストブルックだ。
ウエストブルックは、オクラホマシティ・サンダーで3シーズン連続で平均トリプルダブルを記録しているスコアリング型PGだ。抜群の身体能力を駆使して試合を支配し、MVPを獲得した経験もある。年齢的な意味でも、ハーデンとのバックコートデュオの攻撃力は昨年よりも上だ。

多くのファンが懸念している通り、ハーデンとウエストブルックはどちらもボールを持つタイプのプレイヤーだ。そのため、昨年のように機能する前にチームが空中分解する可能性も考えられる。

しかし、昨年よりも機能する可能性が高いと思われる。
その理由の1つは、ハーデンとのケミストリーを危惧されているとインタビュアーに聞かされたウエストブルックが、「僕の得点能力はすでに証明している。その気になれば得点もできるけど、アシストやリバウンドに専念することもできる」と、ハーデンとの共存に自信を覗かせている点だ。事実、ウエストブルックは過去3シーズン連続で平均トリプルダブルを記録しており、昨年はサンダーのもう1人のエースだったポール・ジョージと上手く役割分担できていた時間も長かった。

ハーデンとウエストブルックは、共にNBA初期をサンダーでチームメイトとして過ごし、強豪サンダーの一角を担った経験がある。今オフでの2人の交流はプライベートでも活発で、単純に親密だ。
また、見落とされがちだが、外見やプレースタイルと異なりポールはコート外では我が強いタイプだ。多くの人と同様に、ハーデンとウエストブルックにとっても若手時代の仲間というのは特別な存在であり、MVP獲得歴のある2人が優勝に向けてリンクできる可能性はあると思う。

バックコートでいえば、PGにウエストブルックの控えがいないのは懸念事項だ。
SGのオースティン・リバースがPGとしてプレーする時間も増えるかもしれないが、そうした場合のプレイメイクには不安が残る。

一方で、SGは充実している。
先発を務めるハーデンは、現リーグでもっとも得点力がある選手の1人であり、リバースはアウトサイドで適切なプレーができるのはクリッパーズでも実証済みだ。また、6thマン賞の受賞履歴があり堅実なプレーで第3のオプションとしてチームを支えたエリック・ゴードンも、ナチュラルポジションはSGだし、アステチックスコアラーのジェラルド・グリーンもSGでプレーできる。安定感はないが、オフに獲得したベン・マクレモアもいる。
仮にハーデンが怪我した場合、戦力的には大幅にダウンすることは避けられないが、補填できるだけの人員は揃っている。

ハーデンはオフに片足3Pを本格的に練習するなど、持ち味のステップバックからのシュート力をさらに強化している。リバースとグリーンはその気になれば2桁得点も簡単にできるので、SGの得点力については問題ないだろう。
また、ディフェンス面でもハーデンのディフェンススキルは巷で言われるほど悪くなく、その気になれば平均レベルのディフェンスができる(それよりもスコアリングに専念した方が、レギュラーシーズンではメリットが大きいという判断だろう)。

超攻撃型のバックコートに比べて、フロントコートにはディフェンシブなメンバーを揃えている。

PFにはPJ・タッカー、ゲイリー・クラークと守備の良い選手が揃っている。特にタッカーは3Pシュートも打てるため、ウエストブルックやハーデンのためのスペースを作ることができる。また、出戻りとなったライアン・アンダーソンは以前のFG成功率42.2%、3P成功率38.0%という輝きを取り戻すことができれば、セカンドユニットでの得点力が期待できる。
2013年ドラフトで1位指名を受けたアンソニー・ベネットは「史上最悪のドラフト1位選手」との評判がついてまわるが、キャリア6年目を迎える今季がラストチャンスになる可能性は高い。潜在能力がある彼が奮起することができれば、一気に層が厚くなる。

Cは、クリント・カペラ、タイソン・チャンドラー、ネネが固めている。
速攻に参加できるカペラが主要センターとして起用されるだろうが、大ベテランのチャンドラーとネネのディフェンス力とリバウンドは、バックコートの得点力をサポートするという意味では最適な人材配置だ。

SFは昨年も平均16.2点と安定した得点源となったゴードンが先発を務めることになるだろう。ただ、本来のポジションではないため、ディフェンス面では少し苦労するかもしれない。
また、元サンダーでハーデン、ウエストブルックとチームメイトとしてプレーしたタボ・セフォローシャと契約を結んだ。セフォローシャはディフェンス面で堅実な働きが期待でき2人のエースとの相性も良いだろう。

ロケッツは超攻撃型チームという印象が強いが、昨年のレーティングを見ても守備がリーグ10位と悪くない。反面、攻撃もリーグ10位といまいち噛み合わなかった。ポールを放出し、ウエストブルックに変わったことは懸念事項もあるが、ウエストブルックの発言の通りであれば期待できる。

また、ウエストブルックとハーデンはどちらもボールを持つタイプのスコアラーだが、プレーのスタイルは違う。
ペイントエリア付近でボールを保持してじっくりとハーフコオートオフェンスで攻めるカーメロよりも、ウエストブルックはマイク・ダントーニHCの戦術にマッチするだろうし、サンダーでNBAファイナルに進んだときのケミストリーを発揮できれば、共存は難しくないだろう。
ハーデン、ウエストブルック、ゴードンの2人のアウトサイドは強力だが、やはりウエストブルックとハーデンのプレーが噛み合うかにかかっているといってよいだろう。

ただ、SGとC以外のベンチ陣はかなり薄い。
できれば人材過多のガード陣の整理を行って、バランスの悪いロスター構成だが、ダントー二HCの戦術とマッチする人材が多いので一長一短だろう。

ハーデンとウエストブルックを揃えた今季は、結果が残せなければ解体もありえるだけにロケッツにとっては勝負の年になりそうだ。