NBA News Consider

考察系NBAブログ

【2019-20チームレビュー】メンフィス・グリズリーズ

2018-19シーズン成績 :33勝49敗(ウエスタン12位)
2018-19プレーオフ成績:-

加入

アンドレ・イグダーラ(ウォリアーズ)
ジョシュ・ジャクソン(サンズ)
ディアンソニー・メルトン(サンズ)
ソロモン・ヒル(ペリカンズ)
マイルズ・プラムリー(ホークス)
タイアス・ジョーンズ(ウルブズ)
ジェイ・クロウダー(ジャズ)
グレイソン・アレン(ジャズ)
ジャ・モラント(ドラフト2位)
ブランドン・クラーク(ドラフト21位)
マルコ・グドゥリッチ
マット・ムーニー
ジョン・コンチャー(ドラフト外、2way)

退団

マイク・コンリー
ジャスティン・ホリデー
デロン・ライト
CJ・マイルズ
タイラー・ゼラー
ジョアキム・ノア
エイブリー・ブラッドリー
チャンドラー・パーキンス
ジェボン・カーター
ジュリアン・ウォッシュバーン
タイラー・ドーシー

予想ロスター

 

PG

SG

SF

PF

C

1st

(先発)

ジャ・
モラント

タイアス・
ジョーンズ

ジェイ・
クラウダー

ジャレン・
ジャクソンJr

ヨナス・
ヴァランチュナス

2nd

ディアンソニー・
メルトン

デイロン・
ブルックス

カイル・
アンダーソン

アンドレ・
イグダーラ

マイルズ・
プラムリー

3rd

 

グレイソン・
アレン

ソロモン・
ヒル

ブランドン・
クラーク

 

4th

 

 ジョシュ・
ジャクソン

ブルーノ・
カボクロ

渡邊雄太

 

HC

テイラー・ジェンキンス(1年目)

2019-20シーズンの展望


Best of the Memphis Grizzlies | 2018-19 NBA Season

メンフィス・グリズリーズは昨シーズンから再建に舵を切った。
昨シーズン中にマルク・ガソルをトロント・ラプターズに放出し、今オフには12年に渡ってチームを支えたマイク・コンリーをドラフト前に放出した。チームの顔といえる2人に加え、クリス・ウォーレスGM、JB・ビッカースタッフHCを解任したことで、グリズリーズは本格的な再建モードに入ったといえるだろう。

グリズリーズが2019ドラフト全体2位で指名したのは、マリーステイト大学のジャ・モラントだ。
モラントは抜群の身体能力に加えて、プレイングメイクに優れたPGと評されている。事実、NCAAではアシスト王を獲得し、スピード感のあるプレーで一躍スターダムにのし上がった。フィジカル面での心配はあるが、得点力・スピード・アシスト・コートビジョンを兼ね備えており、上手くいけばクリス・ポールのようになれる可能性がある。今年のドラフトは「ザイオン・ドラフト」と言われるほどザイオン・ウィリアムソン一色だったが、モラントを1位指名すると予想されたチームもあったほどの潜在力を持っている。

モラントと合わせて期待されているのは、ガソル放出後に覚醒の兆しをみせた2018年ドラフト4位指名ジャレン・ジャクソンJr.だ。ジャクソンJrは昨年13.8点、4.7リバウンドとルーキーイヤーとしてはまずまずの成績を残し、今季はチームの中心としての飛躍が期待される。高いアスレチック能力に加えて、3Pシュートも上手くFG成功率50.6%、3P成功率35.9%という数字を記録している。

ジャクソンJrの控えには、ゴールデンステイト・ウォリアーズの黄金期を支えたアンドレ・イグダーラと、ゴンザカ大学で八村塁のチームメイトとしてプレーしたブランドン・クラークを据える。
イグダーラは全盛期は過ぎているものの、攻守に渡ってチームを陰から引っ張ることができるベストロールプレーヤーの1人だ。しかし、イグダーラはチームの将来的ビジョンには入っておらず、イグダーラも残りのキャリアを再建中のグリズリーズで過ごす気はないとのことで、シーズン中にトレード先を探すことで合意している。
クラークは、ラスベガスで行われたサマーリーグで14.7点、9.8リバウンドと活躍し、サマーリーグMVPを獲得している。NBAレベルで即戦力になれるかは微妙だが、イグダーラが構想に入っていない以上、プレー時間が増えると思われる。2way契約にはなるが、渡邊雄太も3番手4番手としての起用はあり得るだろう。

一方で、SFとCはベテラン勢が固めている。
SFには泥臭いディフェンスを持ち味とするジェイ・クラウダーを筆頭に、守備面で貢献できるカイル・アンダーソン、一時はペイサーズの主力になると期待された攻守で貢献できるソロモン・ヒルと地味ながら役者はそろっている。

Cには昨年獲得したヨナス・ヴァランチュナス、ゴール下からミドルエリアでのオフェンスが期待できるマイルズ・プラムリーと悪くない布陣だ。特にヴァランチュナスは昨年加入したばかりだが、1試合平均19.9点、10.7リバウンドを記録しており、健康体であれば常にダブルダブルを見込める。PFのジャクソンJrとの相性も悪くないためグリズリーズの核になりえるが、彼が全盛期を再建中のグリズリーズで過ごすのかには疑問が残る。

PGには先述のモラントに加えて、ティンバーウルブズからタイアス・ジョーンズを獲得した。
ジョーンズは学生時代は注目された選手だったが、NBA入り後は控えとして目立った活躍はできていない。ウルブズでは随所で才能の片鱗を見せるプレーも少なくなかったが、チームの核になりえる選手ではなかった。そのジョーンズに3年2,800万ドルという、ベンチメンバーにしては超高額契約を与えるという判断には疑問が残る。
グリズリーズは元来データ経営を得意としていたチームであるだけにジョーンズがブレイクする可能性はあるが、ブレイクしなかった場合は引き取り先を探すのに苦労することになるだろう。

SGには、フェニックス・サンズからジョシュ・ジャクソンを獲得した。
ジャクソンは守備力に秀でた選手ではあるが、オフェンスにはムラがあり、素行面にも不安が持たれている。先発SGとして起用される見通しであったが、Gリーグのメンフィス・ハッスルでシーズンをスタートすると球団が発表した。Gリーグである程度安定した活躍ができれば、ピックされるのは時間の問題だろう。
他にはデイロン・ブルックス、グレイソン・アレンと在籍しているが、どちらも先発級の選手とは言えない。SGはチームでも最も層が薄いポジションと言える。

グリズリーズのバックコート陣の状況を見るに、モラントとジョーンズの2ガード体制が多用されるように思う。
ジョーンズは昨年FG成功率41.9%、3P成功率33.3%と得意とまでは言えないが、及第点の成績を残している。ジョーンズをSGで起用し、より万能性が高いモラントをPGに据えるというビジョンを前提に考えれば、ジョーンズへの高額オファーも納得のいくものだ。

マルク・ガソル、マイク・コンリー、ジャスティン・ホリデー、ジョアキム・ノア、エイブリー・ブラッドリーとチームの核となっていた選手の多くを放出したグリズリーズは、本格的な再建に入った。
代わりにモラント、ジャクソンJr、クラーク、ジョーンズなど、才能ある若手がチームを引っ張ることになるだろう。

クラウダー、ヴァランチュナス、イグダーラと安定感のあるベテランも在籍しているが、彼らがチームの構想に入っているとは思えず、彼らも再建中のグリズリーズでキャリアの全盛期を過ごすつもりはないだろう。
モラントがいるPG、ジャクソンJrとクラークのいるPF以外のポジションで、才能ある若手とのトレードを虎視眈々と狙っていることだろう。

ジェンキンスHCは34歳と若く、選手もNBAでの実績には乏しい若手が多い。球団首脳陣も大きくメンバーが変わっており、30歳の法律家であるザック・クレイマンが人事権の全権を持つというのも未知数だ。
昨年のブルックリン・ネッツや、ロサンゼルス・クリッパーズのようなチーム作りを、グリズリーズは目指しえているのかもしれないが、順当に行けば少なくともあと数年は我慢の時期を過ごすことになる。
数年後にモラントとジャクソンJrがチームの顔になれているかが1つの試金石になるだろう。